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 テキストサイトの殿堂リンク

20年でごちゃごちゃと貯め込んで本人さえも収拾がつかなくなっていたかまくらフォルダから、見つけたものを出して話題にしてみる試み。このリンクは…僕の記憶が確かなら、2002年か2003年にブログが隆盛してきた頃、どっかのアホ共が「未開の日本に俺らがブログ文化を教えたるんや! レッツビギンや! ポジティブや!! 」とかなんとか抜かしていたのに対してムッときた僕が「明日朝7時にここにもう一度来てください。本物のWeb文化とはどんなものか教えてあげますよ」と山岡士郎よろしく自分がブックマークしていたコンテンツの中から選りすぐったものだけをリンク集として公開したものだったと思います。当時それなりには話題にしてもらったので僕より詳しく覚えている人も結構いるんじゃないかな。まあ経緯はどうでもいいのです、問題は中身です。クリックしてみるとすぐわかりますが、もう笑っちゃうくらい端から端まで綺麗に消えまくっています。中にはただ移転して場所が変わっただけのサイトもいくつかあるのですが(かく言うこのサイトもインターQ→ぷらら→今のsnow-man.ccドメインと2回引っ越しています)、あえて直すような真似はせずガチで当時のまんま再掲しました。いや僕もこれほどまで、当時大手だったサイトばかりを集めてさえ9割以上がリンク切れなんてことになっているとはさすがに思ってなかったです。まあ言うても半分くらいのサイトはリンクだけなら生きてるやろ、更新が止まったとしても彼らが確かに生きて残してきた証はいつまでも残っていてくれるやろ…そんな風に考えていました。でも現実はそうではなかった。たぶん僕を含む、当時テキストサイトに青春を無駄遣いしてきたゼロ年世代の多くの人はこの「そもそもの大前提の部分」を勘違いして、この電脳世界の将来を都合良く夢想していたのだと思うのです。つまり我々は「Webは一度アップロードさえすれば、紙と違ってデータが半永久的に残り続けるのだ」という幻想を共有しながらテキストサイトをやっていた。でも現実のWebはそんな場所では全然なかった、レンタルサーバ会社の経営が苦しくなればそこに書かれていた日記など容赦なく全部吹っ飛ばして撤退されるし、引っ越しなどでプロバイダを解約すれば借りていたサーバに載せていたデータは全部消去されて何もなかったことになってしまう。永遠なんてとんでもない、たった数年の時間の猶予さえくれない狭くて窮屈な場所。僕らが当時無限の可能性に胸をときめかせたWebという世界は20年かけて眺め続けてみたら、実はそんな大したもんじゃなかった! その事実を受け入れるのは結構つらいのです20代のほとんどを既にネットに費やしきってしまった身としては。まあ受け入れてしまったからこうして更新が途絶えてしまったわけなのですが。
 しかし別にネットに絶望しネットを見なくなったとかそんなことは全然なく、ツイッターでバズったクソリプを拾ったり、ヨッピーやオモコロの人たち辺りの書く古き良きテキストサイト的なハチャメチャ企画記事に腹を抱えて笑ったりとフツーに変わりなく楽しんでいるわけで。テキストサイトは滅んだかもしれないし実際にもう遺跡さえほとんど残っていない、文字通りに無に返ったもう歴史に埋もれた文化である、それはもう仕方ない。嘆いて何かが変わるわけでもなし。でも当時面白かった連中は今も媒体を変えて面白いことを時代にうまく合わせてやってるし、僕だって趣味のサイトに流れたりとやりたいことをやりたいようにやっている。かつてテキストサイトをやっていた人たちがツイッターの「友達の友達だからこの際フォローしあってみては?」みたいな欄にたくさん上がってくることも嬉しく思ってはいます。「当時仲が悪かったからフォローはしません」とこっそり呟いたりもしてるけど。まあ結局のところ何が言いたかったのかというと、「テキストサイト文化は遺跡も残さずに砂塵となって消滅した! それはもう終わったことでゴチャゴチャ言ってもしょうがない! Webという世界は期待していたような楽園でも何でもなかったけど、ここはこういう場所として昔も今も皆好きなように楽しく使えば別にそれだけでいいんじゃない?」という、なんか綺麗にまとめただけであんまり面白くない結論になってしまいました。オチというにはあんまりにあんまりな最後の話になりますが、この20年で変化したネット用語で最も積極的に取り入れよく口にしている言葉はオフパコです。