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 曲を作ると女の子にレスポンスを貰えるとわかり張り切って作っていた2000年前後、「ほんとに雪男さんが一から作ってるんですか?」と聞かれたことがあります。まあ自分で言うのもアレですけど、その辺のテキストサイト管理人がサイト運営の片手間で作れるようなレベルのもんではないですからね。既にあるモチーフをパク…流用したり、サンプリングと開き直って転用したりといった一昔前のJポップス界で横行していた所業と同じでは、と疑惑を持たれるのも致し方ないこととは思います。しかしこれは神に誓って申し上げますが、【オリジナル】と銘打っている曲は作詞作曲編曲すべて僕が一人でやってます。これでも3歳から現役生徒としては約30年エレクトーンを習っており、生徒を辞めた後も趣味でピアノを弾いておりますもので素人ではないんです。あんまり言うと身バレするのでざっくりとしか言えないのですが、神奈川県大会規模のコンクールでなら何度か金賞を取ったこともあります。2011年2012年の2回だけ、アニソンライブのステージでキーボードを実際に人前で弾いているので、このライブに来てくれた人ならば僕の腕前がどうだったのか証言できるでしょうね。このライブの練習中の録音音源のいくつかは残っていて僕の手元に実はあるのですが、当時のバンドメンバー全員の許諾も取ってないまま僕のサイトで独占公開というのはさすがに自分勝手が過ぎるのでやめておきます。いつかメンバーの半数以上が老衰で死ぬか痴呆症でわけわかんない状態にでもなったらこっそりアップしますかね。メンバーの年齢的にもうそう遠い未来でもなくなってるのが笑えないのですが。

 さて今回力説したいのは、この「エレクトーン」という楽器の汎用性のなさ、モテなさについてです。僕が3歳で始めた頃のエレクトーンはまだレバーを上げ下げしてアナログで調整するような原始的でゴツゴツした姿でしたが、テクノロジーの目覚ましい進化でどんどん形も変わっていって今はステージアという小型でスタイリッシュで音質も機能も昔と比較にならないほど良いものが出ています。男子がこれを華麗に弾きこなせば冗談抜きに超格好いいところを女の子に見せることができるのですが…その「見せる機会」がエレクトーンにはほんとにない!! ギターやバイオリン、トランペットといった弦楽器管楽器は持ち歩いて別の場所で披露することができます、なんならバンドや吹奏楽部に入れば毎日人前で腕前を披露できます。ピアノならどんな施設にも大抵置いてあるし、ちょっと弾いて披露しようと思えばいつでもいくらでも機会があります。ところがエレクトーンは(原則)持ち運びもできないし、音楽教室や楽器販売店以外の場所で見かけることはほぼありません。バンドで使われるのはキーボードだし吹奏楽部でピアノは使われてもエレクトーンは使われません。ほんとにマジのガチで披露する機会がないんですよせっかく上手くなっても!! 僕は奥さんと初めて会って付き合ってからもう18年経ちますが、なんとか披露して格好良いとこ見せたいと機会を狙い続けて18年経って披露できたの一回だけ(それも準備不足の不完全な状態)だけですよ。身内相手ですらそれくらい聴かせる機会がない。特にエレクトーンって事前に使うドラムや音色を保存したデータを用意しておかないと100%の真価を発揮できないんです、いきなりその場で弾いてって言われても音色やドラムパターンが変化しない無難な曲しか弾けないんですよ「エレクトーンの真価はこんなもんじゃないんですけどね」という言い訳を添えなきゃいけないのが本当に欲求不満たまるんですよ!! そもそもそんな言い訳する機会さえ与えられない不遇な楽器なんですけども!!
 でもエレクトーンが上手くなればjポップレベルの楽曲であれば比較的簡単にボーカル・ギター伴奏・ベース・ドラムまで一人でなんでも弾きこなせてしまうので、やっててほんとに楽しいですよ。人に披露してモテたい、が動機でないのであれば超おすすめの楽器です。でも僕は息子にエレクトーンを薦めず、結局ピアノをやらせることにしました。息子には父と同じ苦しみ…せっかく上手くなったのに披露する機会がなく女の子にモテられない、という因業を背負ってほしくなかったからです。僕も今は古いエレクトーンは処分してしまったので息子と一緒にピアノを練習しています。ピアノはいいですね、人に披露できるから。エレクトーンでなくピアノを選択していたらもうちょっと明るい青春時代を送れていたのかな…なんて思ったりもしてみるけれど、まあ元々イケメンが弾くから絵になるのであって、ブサイクがどれだけ良い曲弾こうが曲はともかく弾き手が顧みられることなんてどうせないですよね。なんだかんだ文句言いましたがエレクトーンやってて良かったと今は思ってます。やってなかったらこのサイトの音楽活動の歴史もたぶんなかったと思うしね。